2013年初のブログになります。気づけば18日。遅くなりましたが本年もご愛読含めよろしくお願いいたします。
一度きりの人生です。いろんな方と会い、幅広い視野で偏狭心もつことなく、今年も進んでいきたいと思います。

「消費税」

先般、官僚の方や専門家の方と消費税について議論する機会がありました。今回はその時感じたことを綴りたいと思います。

私の意見としましては、消費税議論は現行のまま進めるのではなく、しっかりやり直した方が良いと思っています。メディアや国会では国債が暴落するからそうならないためにも増税が必要だということで賛成していると思います。

そもそも、今回の消費税の論議は社会保障関係全般に企てるということです。しかし、このスタートラインに無理があると思います。現在の社会保障費は一般会計で年間1兆円かかっています。全体の社会保障関係でみれば3兆円が伸びていくことになります。

消費税の良さは何かを考えると、景気に関係なく安定した税です。ということは、年1兆や全体で3兆円も伸びる社会保障関連費に追いつくわけがないのです。いくら消費税を10%に上げたところで社会保障費全般に使われるのであれば、焼け石に水なのです。
社会保障費は右肩上がりでどんどん進み、消費税は安定税の水平状態。この状況をどう打破するのかの議論はなされていません。

私やその会談に同席した専門家からも、これから毎年伸びる社会保障費の賄いは相続税で行うべきだと提言しました。これは、ある政党もそういっていますが、覚悟をもってこれからの日本を立て直すのであれば当然の内容だと思います。

現在、高齢者社会です。今後はもっとそうなるのは明白です。そんな毎年伸び続ける社会保障費を何とかしようと考えれば、保険料自体を上げるか、現在の給付額を下げるかしかないのです。税源を考えていくなら、高齢者が増えていくことで税収が増える税といえば、相続税です。(貧しい高齢者とそうでない高齢者の見分けをきちんとするシステムも必要です。)

そもそも国経済が伸びたことによって不動産はじめ資産価値は増していきました。
生活していく上で住民サービスの対価として払う固定資産税と共に、亡くなったときに高齢者世代の社会保障費の財源として、一端国、あるいは行政にその資産価値増加分を戻すということをしてもいいと思うのです。(現在の常識からすればありえないと思うかもしれませんが、どうにもならない現状を迎えたときを考えれば覚悟が必要です。)

現在、相続資産は年50兆円とも言われています。その相続資産のうち40%が不動産と考えれば、現行の相続税制の基礎控除が大きく、課税対象者が非常に少ないことは見直せるはずです。相続税は、基礎控除をなくして一律課税にさえできれば、今後の高齢者が増える社会では、増えた分だけ税収も伸びます。

では、消費税は何に企てるのかという議論になります。
先ほども述べましたが、消費税は景気に左右されにくい税です。
ただ、都市部と地方では差があるのではという意見もあります。
私は、消費税は基本的に地方で処理し、一部を財政調整分として国が管理していければ、差は埋められると思います。

同時にこの考えには、地方部はその消費税を沢山得るために相応の努力をしなくてはいけません。しかし、これは自治を行ううえで当然の姿だと思います。
現状の何でもかんでも「お上にお金をおねだりする。」というスタイルでは、いつまでたっても変わりえません。今までの負債を打開していく世代としては、当然の覚悟をもっていくべきです。

今の地方交付税制度(財政調整制度)では、地方の努力は一切求めていません。
本質的な形さえ作れれば、あとは制度設計で今言われている問題点はいくらでも解決できると思います。
本質とは、消費税を地方税化すれば、国と地方の関係が抜本的に変わらざるをえないということです。

出席していた官僚の方の感覚としては、「確かに可能であればそれはこれからの時代、そうしていくのもあってもいいと思うが、果たして今の高級官僚や、国会議員にそれができるのかは不透明だ。」と言っていました。それも理解できます。現在は、官僚と国会議員が日本を大きく仕切っている。それも民選の議員は地方の声を聞かざるを得ない。
地方は「お上におねだりスタイル」が当たり前になっているので、今回の増税にするのかサービス削減にするのかでバタバタしてしまいます。最後は、地元の選挙区の意見を優先を各議員がし、特例公債法案が通るわけです。そもそも赤字債である特例公債は、例外中の例外なのだが、地方は「それは国の仕事」で問題ないのであります。

やはり、こういったスタイルの変革期にきていると感じます。それにはまず、国と地方の財布を分離して、地方にも責任を負わせるべきだと思います。

国会議員は国のこと。地方議員は地方のこと。に対して責任をもつということです。
消費税を地方税化ができ、国と地方の抜本的区割りができれば、各議員、役所が各問題に注力できるはずです。

政治家は有権者にいいことしか言いません。もうこういうことはやめて、自ら汗を流した現状を厳しい現状を伝えていくべきです。それこそが本当の政治家だと思うのです。
とにかく、現在の地方交付税制度も廃止して、地方議会、議員に責任と自立を促す仕組みを作るためにも、国と地方の在り方を、消費税論議と一緒に進めていくべきだと思います。

まとめれば、高齢者増加に伴う社会保障費関連は、理論的に可能な相続税を。そして、消費税の地方税化による、地方交付税制度の廃止。そうすれば、一部国に上がる数兆円のお金を国の競争力強化に費やすこともできます。

国は国の本来やるべき、外交、安保に力を入れることを。地方は生活している国民に対しての責任を請け負うことでいいと思うのです。地方は消費税を上げたくなければ、他の手立てを考えるか、サービスを削るしかありません。維持、向上したければ消費税を地域にあったものにあげるしかない。これもすべて、地方の役人、政治家に考えさせていくことが大事なのではないでしょうか。

出席していた官僚は「理想だけど、今までの国家運営をみてくればなかなか難しい。」と言われていましたが、私も今すぐには無理だと思います。しかし、こういうスタンスで行くんだ。というビジョンも示さず、ただ目先の施策でやっている現状ではだめだということです。

そんなことを、今回の消費税議論で盛り上がり白熱しました。

みなさんは消費税の社会保障への補填する社会と地方税化により、地方交付税制度廃止をし、地方と国との役割を明確化し、各官僚、政治家に責任を持たせ、国民が自立をしていく社会。どちらがいいとお考えですか。

                        若狹 清史