「まだまだ・・・」
前回のブログでは歳出削減を真剣に議論する機会を持つべきと言うことを綴りましたが、今週も色々な方々とお会いし、意見を聞いたり調査する中で、改めて歳出削減するのは、並大抵な覚悟がなければできないが、やる必要、議論する必要があると感じました。その中でも社会保障への問題を今回を綴りたいと思います。
現在、政府は、「税と社会保障の一体改革」の政策論議を加速して行われています。関係者の話でも、省内改革案を4月までにまとめ、増税への税制改革案を年半ばくらいまでには示すということです。また公開ヒアリングが、行われることにもなっているそうで、完全に増税路線に向いている感じが否めません。
私は、増税路線が悪というのではなく、広域的な議論をまずするべきではないかと思うのです。今回も社会保障財源として、5%程度の消費税引上げが打ち出されることは、まず想定できます。
ですから、厚労省が医療、介護、子育て、年金、雇用、貧困・格差対策の6分野で、各専門チームが組織され、増税ありきの改革案を作成をしていると思います。
最初から消費税引上げを決めつけ、公費拡大、給付拡大案をつくり、政府に法案をあげると言う現実を考えると、将来に対する展望が見えずらく、社会保障制度の赤字財政を再建することはできず、将来の維持可能な制度をつくることはできないことは明白です。
私は、なぜ給付の効率化や無駄の削減、予算配分への優先度策定といった歳出削減論が論じられないのかが残念に思います。大学の先生とも話をしましたが、社会保障の財源を確保したり、財政を建て直すためには、5%の増税では、解決策にはならないという話も聞きます。やはり、歳入増だけではなく、歳出削減を図ることが車の両輪のように絶対的不可欠であると思うのです。
よく、歳出削減は既得権益の団体からの反対から容易ではないので、歳出削減論事態無駄だという経済学者の方もいらっしゃいます。しかし、議論をして方向をみつけださないのでは、得策案などでるはずもありません。自分勝手な団体に気をつかうのか、政治家たるもの選挙に勝てる組織におんぶにだっこして、本来の国家像は見えないままでいいのか、考えなければなりません。
医療、介護、保育業界の既得権をどのように真剣に踏み込み、議論できるかは、政権の安定が不可欠だとは思います。しかし、その前に国民に真剣に訴えることが前提で、既得権益団体からの反対と真剣に向き合えるだけの力がなくても、訴えるのが代表だと思います。
事実認識として、社会保障業界には膨大な無駄や効率の悪さ、既得権益があります。それはどの地方でも同じだといってもいいのではないでしょうか?
日本の社会保障の供給面の特徴は、「護送船団方式」をとっています。 医療機関、介護施設、認可保育所等を厚待遇し「産業保護」をしているといっても過言ではありまえん。
要は、この業界はすべての利用料金は公定価格に規制されており、自助能力や経営感覚の甲乙に関係なく、ほぼ同料金が支払われています。(診療報酬、介護報酬、保育料など)また、どんな経営者でもよっぽどの事をしない限り経営が成り立つように公定価格が設定されていますので非効率の最たるものです。これでは、他分野と比較しても効率化の動機が見当たりません。
上記の各種法人は実質的に特殊の法人格のみに参入規制をしていますので、新規参入はなかなか進まず、競争相手が少ないため高コストの業界体質になっているともいえます。ですので、色々な施設を回らさせていただいたり、会合にも顔を出させていただいていますが、社会保障の本質が見えないと見受けられるところも少なくありません。参入が少なく、競争が無いため、お互いが仲間同士になり、業界を大きな団体にしていこうと言う気持ちに変わり、政治家や役人と仲良くなって補助金増額や規制強化を求めての活動を行うようになります。
そして、天下り先まで用意していれば、確固たる既得権益構造の完成になるのです。
社会福祉協議会しかり、社会福祉法人の既得権益、また医師会しかりの医療法人の既得権益などをどう向き合っていけるかも市民一人一人の本気と政治家、官僚のやる気だと思います。
社会福祉法人の参入設立にはオーナーになる人が自分名義の土地を寄付するとこから始まります。そうなれば施設建設費用の75%が自治体が補助券を出してくれます。また、独法の医療福祉機構もお金を低金利で貸してもくれます。また、家族や同族経営も公認されており、相続税も無税です。他にも法人税、固定資産税、消費税なども免除制度があると聞きます。ですから、自然に世襲制になっているというわけです。
多くは、家族、同族が役員になり、お手盛り的な報酬設定が可能になります。また繋がりを持つためにも役人の天下り先や、政治家を理事などにしているところもやはり多く見受けられます。
猪瀬副知事の講演でも、都内では特別養護老人ホームの建設費は1ベットあたり約2千万円などという莫大な建設費がかかっているところがあるといわれていました。
また、全国老人福祉施設協議会が、社会福祉法人全体の内部留保の総額は、1兆円近くになると発表されているのにも驚きました。
内部保留金が一兆円といいますが、これは収入のほとんどは公費や補助金の老人ホームや私立の認可保育所は税金からここまでためこんだと言ってもいいと思います。
そして、現場を歩いて声を聞けば、待機老人、待機児童が問題化し、供給が今後も増えると言われている状況です。しかし、介護労働者や保育士への賃金はとても低く、離職率も非常に高いことを考えれば、上記の仕組みを考え直さなければいけません。
こういった現状をまさに政治家や役人、メディアが大きく議論するべきです。議論すれば、我々国民は現状に納得するか否かの判断をすると思います。
いくらなんでも、事態を把握し、それでもいいという国民は少ないと思います。
社会福祉法人、医療法人、公共施設への改革をきちんとみなすことで相当な社会保障業界の効率化が望めますし、たとえ一時でも埋蔵金は出てきます。また、予算編成でも優先権を持たせて歳出削減を行えば、充分に健全化はできると考えます。
小泉政権時代のような国民の人気があれば反対も少なくできるのかもしれないが、こういった既得権に切り込める政治を我々国民は望んでいると思います。
内交思考が強い日本ですが、諸外国にも胸を張って福祉国家と言えるような仕組みを創りなおす必要がやはりあります。歳出削減の議論をしていけば、私はかならずこの部分の議論から財政への連結も含め、打開策がでてくると信じたいと思います。
若狹 清史