先日、友人が役者をやっている劇団の公演を見てきました。初めての経験でしたので新鮮でかつストーリーも面白く、久々に癒されたひと時でした。みなさん忙しい中の合間をぬって稽古をし、演じられているのをみて刺激も受けました。みなさんもお時間があるときはぜひ。
「劇団空素http://www7.ocn.ne.jp/~kallath/」

「優先度・・・。」

日本経済が1968年以来の世界第3位に後退したというニュースが話題になっています。昨年通年のGDP伸び率が実質3・9%、名目1・8%で、比較可能な価格で計算して昨年の日本の名目GDPが5兆4742億ドルで、米国、中国に次ぐ世界第3位ということです。

しかし、私は一つの目安で捉えるべきだと思います。すぐどの政権の責任だという議論を見受けられますが、そうではなく、一つの時代環境の変化だという捉え方で、感覚の変更が求められると思います。どこに循環する対象という的を絞るかです。

今回の結果は、行政運営の古い体質からの見直しを図るいい機会だと思います。

今国会では公債発行特例法案が否決される可能性が高まっています。基本的に日本では、建設国債(次世代に資産を残す)は認められています。しかし、負担だけを残す赤字国債は認められていません。ですが、その赤字国債を発行するために毎年、公債発行特例法が更新されてきた現状があります。

従来通りのバラマキを行ってきても何も進まないことは時代が認めています。よく、政党や議員のマニフェストで「コンクリートから人へ」というスローガンが見受けられますが、私は両方ともなんら違いはなく、土建なのか福祉なのかの違いでバラマキはバラマキなのです。従来の政党が行ってきたバラマキ・既得権層を奪回しただけの政権交代と見られても、世界からは評価されません。

日本も世界なのです。どうしても身内の政治に見えますが、世界の評価を落とした事実をもっと受け止め、感覚を変えていかないと、リーダー国にはなれません。

今はコンクリートから人に移ってきています。しかし、基礎的財政収支改革を行った小泉政権の諸外国評価は高かったがそれが活かしきれていません。同時に、建設国債は一切残されない方針で、日本は1990年後半以降きています。要は「人=福祉」にバラマキをしていることは、将来資産は何も残せないということに気がつかないといけません。次世代に付けが残る施策ではダメだということを認識するべきです。

選挙で受かるために、投票に行く人にいい顔をするのはやめるべきです。本来の国家像を描ける人が政治家になるべきです。

前政権与党も現政権与党も政治学上は同じ思想です。メディアが煽るだけの事はありません。もっと施策内容について、また取り組んでいる議員や人について報道していくべきではとおもうのです。

ダボス会議での菅首相の講演を聞いてもよくわからないことが多かったと思います。「絆」という言葉を使われていましたが、セーフティネットのことを言っているのかと思ったら、次は「社会的包摂」という哲学的な概念に入り、終盤は「絆」の意味が労組幹部的なモノになっているように見えました。

このような状況の中、「頭を変えろ」議論が連日報道されていますが、こんなにバタバタしている国を海外は相手などしてくれません。なぜ、そのことに気づかないのかが問題です。

私は公債発行特例法案が否決されれば、何か変わるチャンスなのではないかと思っています。本当に必要な出費が何かという議論が始まるかもしれません。予算自体が限定されれば、どこに優先予算を盛り込み、贅沢出費は何であったのかも全て明るみにでると思います。

私は、日本が世界でリーダーシップがとれる国になるためには、教育などへの行政サービスと社会保障(年金、医療、介護)、公務員人件費、地方執行費などが「贅沢すぎる出費・予算」とくくられると思います。

もちろん、無くすということではなく、個人資産が一定以上なく、頼る身よりもなく、働きたくても働けない「本来の弱者」には、セーフティネットが必要だと思います。しかし、そうではない対象者が多すぎる日本では、見直す必要があると思います。

電気や水道が使えなくてもいいから、年金や医療保障だけはしっかりしてくれという理論は通らないのと同じです。
 
公債発行特例法は恒久化してはいけません。ですが、現政党の多くは政権与党を批判はするが、それに対しての対案も乏しければ、選挙投票率の高い世代への気遣いで本当に未来を謳えていないと思います。

もし、野党が本気で財政再建を考えているのなら、公債発行特例法案に反対をする場合、従来の聖域なき歳出削減を前提にしていなければなりません。それは当然、国民に「痛み」を伴わせることでありますが、そう言っている野党はありません。しかし、それでも政策を訴えるのが本来の政治家像です。

私も、よく引退世代の方々と本音議論ということで話しますが、もしご自分が今の時代の働き世代にいたら今の制度はどう思いますか?と聞くと皆さん口をそろえて「嫌だね。だけど、今は引退世代なのだからきちっとした社会保障をしてほしいね。勝手なこと言ってるよね。」と言われます。本音だなと思います。

しかし、どこかで真剣に予算配分の議論をしていかないと、運営は行き詰ると思います。

引退世代が「よりより老後」にするために、世代間扶助ではなく将来世代から一方的に収奪し続けることができる状況は見直すべきです。これを「安全・安心社会」とか「絆社会」と呼ぶことは間違いです。歳出削減なき政治は、将来世代のやる気をなくし、第三位だけではすまない結果になることは明白です。

こんなことを公債発行特例法案否決の可能性、日本経済第三位転落などをみていて感じた今回でした。
                       若狹 清史