11月に入りましたね。先日、愛知県にいき海を見る機会があったのですが、今さらながら海は広いですね。
気持ち的にも色々考える時期とマッチしていい機会でした。

「視点」

先般、ある国立大学院生や先生達と諸所問題について議論をしました。その際に「昨今の円高はまずい。打つ手なし。人口増やす政策をしないとデフレ脱却はない」という意見を持たれている方がたくさんいましたし、そう教えている先生方もいました。

そこで、今回は昨今の円高やデフレについて私の考えを綴りたいと思います。

そもそも円高というのは、(主に米ドルに対してですが)円が外貨に対しての価値が高くなるということです。ですから円高は輸出企業にとっては厳しいということが言えます。
一ドルが130円でさばけるのと、80円でさばくのでは、大きく売上に影響します。

昨今の欧州危機によって円が買われているから円高だと、議論の時に言われていましたが、私はもっと為替相場は簡単な理論で物事進んでいると感じています。

マネタリーベースをもって説明がつくからです。(マネタリベースは日銀の当座預金の残高と世の中に出回っているお金の合計をさします。)要は、お金の量が為替レートに関係しているということです。
国際金融市場では常識の考えですが、円とドルを交換する際の交換レートを為替レートすると、量が多い通貨の希少価値は下がり、少なければ希少価値がでてくるわけです。

今の日本の円の量を米国ドルの量で割れば、為替レートの計算ができます。
私が色々調査研究する中で、お世話になっている先生方の考え方は、シンプルなのです。ですから私も、複雑に考えずに考えると、ある程度の道が見えてくると思っています。

例えば、米ドルのマネタリーベースは2兆ドルと言われています。日本は、140兆円くらいです。日本円の量を米ドルの量で割れば、一ドルは70円位です。これは、現在の数値に近いですよね。シンプルなのです。(これはソロス・チャート論とも言われていますが)
実際にこの考えを否定する方もいますが、1960年代後半からの為替推移をみると8割の確率でマネタリーベースで説明ができます。
(過去にプラザ合意の前の時期に関しては日本が、量的緩和を行ったので例外と言えますが。)

このようにシンプルに考えていければ、円高に打つ手なし。という論理にはならないと思うのです。現状は、円が相対的にドルより少ないわけです。

世界金融危機の時をヒントにすればいいのです。米国はドルを増やしましたが、日本はほとんど増やしませんでした。この時のことを考えれば、日本も円高是正施策の一つに、円をある程度刷ればいいのです。

円高になれば、GDPが減り、株価は下がりますが、110~120円程度まで円が安くなれば、GDPは増え株価は上がります。この部分の関係性だけをきちんと理解しておけば、難度はそこまで高くない問題だと思っています。

これは、企業の自立力、競争力を高め、国力にも反映するものだと思います。
円をある程度安くすると、輸出企業や関連企業は儲かります。輸入企業にとっては厳しいことは理解しますが、国際競争の中で生き抜く輸出企業を考えれば、生産性面で輸入企業より高く、恩恵が生まれた方が日本経済には大きな効果が望めるとも思います。
(双方のバランス感覚を見失ったらダメなのは前提です。)

もちろん、円高もメリットは沢山ありますが、全体的の効果を考えれば上記の考えも一つなのではと思います。

こういった円高やデフレ状態をあらゆる手段によって対策をとらないまま、増税に走るのは、増税ありきの優秀な財務官僚の思惑なのか、経済音痴の人しかいないのかだろうとすら感じてしまします。
(消費税については、地方で活用させて、お上からの地方交付税の廃止をするなどの施策が望ましいと思います。)

一つ、シンプルに円を安くしてGDP(主に一人当たり)が増えれば、税収も増えますし、お金を刷らせることで円高、株価、税収の循環の可能性数値を出してみることも一つだと私は思います。

また、デフレ問題についても議論がでました。その際にも人口減少もデフレの要因だという議論もあるようですが、それも私はクエスチョンマークです。デフレも為替レートの関連性と似ているとおもいます。

円に対して日本国内の流通物の量が多くなれば、その流通物は希少価値が少なく、逆に、お金の量が少ないので、価値が上昇していく。まさにデフレの形です。

そもそも、「デフレ」の意味を間違った使い方をしている人が多いということです。
デフレとは、「一般的な物価水準の持続的継続的下落」を意味しているのであって、全品目の加重平均である「物価指数」が下がることを指します。

学生も勘違いしていましたが、耐久消費財などの個別品目の下落がデフレではないのです。価格の低下はデフレではないのです。ここの部分でボタンのかけ違いが出てきます。

個別品目の価格は需要と供給の割合です。
人口減少で需要が減れば個別品目の価格は下がりますから、収益はへります。ですから誤解も招くのかもしれません。

全品目の加重平均である「物価指数」の下落は、先ほど来から綴っていますが、お金の量と関係していることを見ていくべきです。
ですからデフレの要因は人口減少である。すなわち人口増加をすれば、デフレは解消。ということはないと思います。

GDPは増えても、一人あたりのGDPが増えなければ意味がありません。この部分をどうしていくかで、解決の時間は分かれてくると思います。

以上のことを先般の議論時に述べてきました。
経済は色々な視点、思想が入り混じっています。ですので、一概に何とも言えません。しかし、円高に打つ手なし、デフレの要因は人口減という、専門的に学んでいる学生たちに、そうではないかもしれない。という視点を私の持論で展開できればと思い、話しました。

少なくても、私のような考えをしている専門家や学生たちもいるということを理解した上での、今後の研究に役立てていただければと思いました。

                          若狹 清史