雪らしい雪がやっと降り始めた長野ですね。やはり、都内と長野では寒さが違うと感じますね。「痛さ」が違いますね。体調が崩しやすい時期ですので、どうか、お身体にはみなさん御自愛ください。

「個人」

 
先週のブログでは、税制改革の今後を見据えて、企業や労働者側も、「役割・価値・目的」の明確化と同時に自らをマネジメントすることが今後の生活に不可欠との見解を綴らさせていただきましたが、今回は、その税制改正の中で、生活者個人にもマネジメントが必要だと感じたことを綴りたいと思います。

新規の支出や減税などを執行する際に財源確保を義務づける原則として「pay as you go」があります。これにより、今回の改正は法人、個人の増減税が入り乱れた改正になっていると感じています。

まず今回、案を調べている中で、「成年扶養控除」が縮減されていたのが目をひきました。現在は、所得者は23歳以上の親族を扶養すれば扶養控除として38万円の所得控除の適用が認められています。しかし、今回の税制改正で、23~69歳の扶養親族に対する成年扶養控除について、年収568万円(所得として400万円)以下の所得者に限定されることになりました。ただし、例外措置として65~69歳の高齢者や学生、長期入院者、障害者の方には従来と同じ控除を維持します。

したがって、今回の改正では、未就職者やフリーターの方を扶養する親族が影響を受けるという結果になっています。旧政権ラインの競争社会のラインとみえるかもしれません。とかく、政治学的にみれば、旧政権現政権も方向性は同じなので、政策面ではマクロレベルでは同じ事をしていることがわかります。

また、企業側の減税面をみるなれば、長期的な趨勢として諸外国とのバランスを考慮しなければならず、将来的にも企業関連税制は減税の方向に向かわざるを得ないとみています。ですから、その一方で、税収を確保するため、負担のターゲットになるのは個人関連であるという認識がみてとれます。

昨今、増税すれば富裕層が海外に逃げてしまうという見方をされる方も多くいますが、私は、日本再建の為に、税率が高いからイヤという感覚が本当にあるのならば、海外の自分にあった税制制度のある国家で生きていけばいいと思います。自由社会になってきているのですから、自らの意思で選択すればいいと思います。

しかし、現実的に日本という文化をみていくと、ほとんどの日本人は海外へ渡る覚悟は少ないのかなと見ています。島国で育ち、地理的にも文化的に欧米諸国はもとよりアジア諸国とも隔絶しています。また、日本語という優れた言語があるため外国語を学ぶ必死性が乏しいのも一つですが、どんなに所属税が上がろうと、海外へ行こうと言う人は少ないと思います。

反面、企業となると話は別です。法人税をあげればあげるほど間違いなく大企業の多くが海外に移転すると思います。企業と個人とでは逃げ足の速さが天と地ほど違います。その点も、今回の制度改正になった一つもあると思います。

金融証券税制についても、国家経済活性化にむけて個人金融資産を有効に活用し、金融所得間の課税方式の均衡化と損益通算の範囲拡大を柱とする金融所得課税の一体化に向けた取組みが、今後どう進められていくかが、興味を引きました。

今回の制度改正をみていて、国家が全ての面で保障が拡大しすぎて、面倒が難しくなってきていると感じます。社会保障費はどんどん増えていきます。政治家も福祉社会に対して高待遇していかないと自らの人生にも影響を及ぼしますから、減らすなんてことは言えません。

社会保険加入の企業勤めの方はまた別な見方をしていかなければいけませんが、国民年金受給者は年金だけで老後の生活資金を賄うこともできず、税負担増がある将来を生き抜くには、自分で自分の身を守る手段は「お金」ということは理解します。しかし、国家はそれに対する保証が難しいのです。
ですから、前号のブログ同様、個人マネジメントを浸透させていく必要があります。今後、リスクを取る人にインセンティブを与え、自己責任のもとに資産形成を促さざるを得ない税制制度の確立なるものも今後必要になってきます。

行政におんぶにだっこの結果、知らないところで国家の舵取りが失敗に走ってきたのかもしれませんし、今の債務は、やり方がよかったから「あの額」ですんでいるのかもしれません。この見方はわかりませんが、これからは、自立・自律を一人ひとりがしていかなければ、再建はできないと思うのです。

所得が右肩上がりで増える時代は過去の話であるにも係わらず、社会保障費を含めた負担はこれから増す一方なのです。こうした現状や将来の予測を理解し、個人マネジメントをどうしていくかで、行政へ逆にアドバイスを与える国民になるべく、考えていかなくてはなりません。

今回の税制改正をみていて、様々な思いが今後を想定させてもらいました。引き続き研究していきたいと思います。
                           若狹 清史