児童施設で心を開いてくれていた子が、転校しました。色々な都合があったと思いますが、違う土地でも逞しくブレずに生きてほしいなと思います。

「振興施策」

各地域を廻る中で、様々な声を聞きます。皆さん地域への想い、企業への想いなどから、なんとか活性化へということでは、共通していますが、いきすぎな利権構造の構築も望んでいるのもまた事実ですし、何か意見をと言われ、なんとなく「活性」を。と要望している事があるのもまた、事実です。

そんな中、自らの損得は抜きに、必死にまちづくりに活動されている同世代の方々と出会うと、私も俄然必死に、もがきなんとか、活性に一役を担わせていただきたいという想いになります。やはり、真剣にかつ責任もって動かれている方々はスピード感があります。この感覚を私も忘れずにいかなければと思っております。

そういった活動されている方々と、地域の活性に必要な観光施策やまちづくり施策について考えることがおおいのですが、私の考えを綴りたいと思います。

地方は観光産業を軸に経済活性を考えている自治体も多いと思います。私は、その中でも、生活文化の活用にもとづいた観光開発型地域振興の研究調査をどこまで行えているかが、今後の活性への焦点になると思っています。

といいますのも、地方の観光開発を推進した地域振興という概念は、昔からその地域に残る自然の活用にもとづくものから、地域にとっての外部資本との提携によるリゾート開発などに至るまで、数種類の形に分類することができると思います。

私は、各地方地域間でその部類を見極め、施策を実行していく必要があると思っています。地域間での格差の創出です。どの地域でも同じことをして、同じものを建て、予算をバランス的に組んでもダメだということは歴史が物語っているわけです。人口密度や面積、地域間特性、などを鑑みていかなければなりません。

そんな中でも着目していきたいのは、地方都市部から遠からず近からずの地域での振興施策です。生活の中の文化、とりわけ地域の伝統的な町並みの活用にもとづいた地域振興の施策立案です。これは、生活文化が元来、住民の生活に深く根ざしたものであるという意味でもありますし、雄大な自然や外部資本との提携可能性を持たない町村部でも展開可能な地域振興の形式だと思います。

どうしても、国外・県外・地域外からの来訪者増の期待を前提とする観光開発型の地域振興の継続のためには、各所の対外的な広報活動だけでなく、観光資源自体の開発、またその保全が必要になります。特に開発や保持などは、リゾート施設等で見られる物的な観光資源にもとづく地域振興に重点が置かれる為、地域独自の生活文化の活用にもとづく地域振興との違いがはっきりとしていきます。

要は、文化の存在意義が明確になるという点で、文化を活用した観光開発型の地域振興は、リゾート開発や自然の保全といった物的な資源の整備には還元しえない、地域住民自身による生活文化の対象化とその意味的な継承を不可欠とするということがわかります。

ですから、観光施策を考える上で、生活文化を活用した地域振興の継続的研究調査を根気よく行った自治体や地域が活性化するための条件のように思います。

地域間格差、重点的施策実行のために、生活文化の対象化であり、生活文化と観光地化の間の緊張関係の地域科学的根拠、また、生活文化の物的基盤の維持のための財源確保。の観点から、議論に入る必要性が地方の観光施策に不可欠であり活性への近道に思うのです。その上で、開発振興であり、対外広報活動、ハード設備などがいきてくると思います。

同時に、強引な文化創出を行い、地域挙げてのまちづくりというスタイルも、私ははっきりしていていいと考えています。

根気ある調査にもとづく施策、また、新規文化創出の施策。のようなスタンスをとる事が今求められているのかもしれません。
もちろん、同じ方向性をもった同志と、同じスピード感で進めていくことが大切だと思いますが。

そんなことを感じた今回でした。
                        若狹 清史