中学時代の部活のOB会を数年前から定期的にやっています。20年も前の先輩後輩が集まり、昔のように他愛のない話をしながらも、時に今の社会に対する思いを語りあっていることに、うれしさも感じます。
あと・・・立場や職業は違えど、会にいくと「昔の関係」のままです(笑)これもイイ流れですね。

「聞き出し方」

先日、消費税増税関連法案が衆議院を通過しました。
今回は、その後の首相記者会見で感じたことを綴りたいと思います。

連日のようにこの法案の行方が報道されていました。
私はこのタイミングでの増税は反対ですし、今も変わりません。しかし、通過した以上(参院は通過していませんが、通過したという仮定)、野田政権が消費税を上げるまでに、白アリ退治から身をきる覚悟での施策を実行する。と言われていたので、そこまでが一連の終着点であり、評価が始まるのかなとは思っています。それが政治だとも思います。・・・きっとそうもいかないのでしょうが・・・。

話は戻りますが、その後に行われた、総理大臣の記者会見です。
テレビ中継で見ていましたが、なんというか、記者の質問の「質」にがっかりしました。
ジャーナリストの集まりのはずが、なんとも民放のコメンテーターや、ワイドショーの取材レベルのようで、何ともいいがたい残念さがありました。
企業記者は上層部の意向、また関連企業、スポンサーに配慮があるにしても、残念でした。

内容は、次から次と同じ内容ともいえる質問であり、「造反議員の処分」、「総選挙はいつ」、「小沢氏との今後」、「自民党、公明党と合意した件」など、今後、詰めていかなければならない内容であったり、軽はずみに言えるはずもない内容でした。
全てが人事内容であり、政局の話題ばかりで、本来ある「政策」の質問など、まったくと言っていいほどありませんでした。

総理サイドからすれば、不満はあれど、うまくかわせる内容だと思っていると思います。
現にうまくかわされていた印象です。

いつも、こういった際の質問を聞いていると、ジャーナリストが聞く内容ではない質問が出てきて、それを主観を交えてニュースとして報道しているのが残念に思えてなりません。
政治家もジャーナリストも似ている点が大いにあります。これでは、質がどんどん下がりますし、住民力の低下にもつながります。情報リテラシー、メディアリテラシーの力がない日本では、その流れが顕著です。

知り合いの記者にも今回の意見を言いましたが、志ある記者はフリーになり思い通りの意見を言いたいみたいですが、そうなると記者クラブ制度がある現行ではああいった場にいけない。だから、我慢して企業記者をしている。という本音も見え隠れしました。

今回も事前に会見場に入れる記者たちは限られている中で、複数の記者が指名をうけて質問をしています。限られた時間の中で、消費税増税法案に関する質問であったり、社会保障政策に関する質問であったり、今後の施策展開と覚悟などの質問がなぜ、誰も言わないのか・・・。
劇場型政治とは以前騒いでいましたが、劇場型報道、ワイドショー型報道、取材しかできないのは、どちらなんだろうと思ってしまいます。

少なくとも、国民に対して現状として、(1)税率アップ後の景気対策。(2)金融政策と財政出動なのかなどの経済成長関連。(3)GDPと税との関連性。(4)増税で社会保障と財政再建をするとの見解だが、それでも起こる財源不足をどうするのか。今後も増税ありきでいくのか、福祉のカットも視野に入れるのか。(5)無駄を省くためのスキームは。

などは聞きたかったですね。議論してきているであろう内容は、国民も知らない人がほとんどなのですから、総理の口から「~~こういう議論をし、~~こういう方向性になり、~~の考えで進んでいきたい。その為には今回、増税が必要だった。しかし、増税が始まる2014年までには~~と~~は、実行していきたい。」というコメントを引き出すのが、記者だと思いたいです。

政局を騒がすことで、その裏にある「政策」が隠れてしまえば、官僚の思うつぼなのです。地方でも言えることですが、政治家は政局だけをしていればいいという風潮ではいけません。記者も政局を追っていれば、自社紙が売れるし、それでいい。という発想はやめるべきです。

日本国の総理大臣が国民を前にしてする記者会見です。しかもその場には、既得権をもった記者たちしか入れないわけですから、国民の代表でもあります。その機会を意義あるものにするためには、総理の政策、経済、社会の在り方を聞きだし、問う義務があると思います。

政局を盛り上げることが、いかに世界から「また日本は内輪もめ。また総理がかわる。」と評価が下がることに気付くべきです。

政府の本気さを知るための機会で、あの質問では、国民も問題意識という面は強く持てないでしょう。
あの内容の質問で、紙面やテレビでは「国民離れ」「政治不信」「政局不安」などが並び、国民もその言葉が焼き付き、混乱に行きます。

今回の消費税関連法案は、自民党、公明党も同意して行われました。採決を棄権した議員は自民党にもいました。こういった事実は報道されず、小沢氏ばかりの内容。

これに便乗した政党も多々あります。政治家自身も、便乗型政治をすることから脱却をし、記者も面白おかしく、政局、人事を楽しむ取材だけでなく、我々国民もお任せ主義からの脱却をしていく覚悟をもたなくてはいけなく、全てが「この国民にしてこの政治」と言われないようにするために動かなければいけないと思います。

そんなことを、記者とも話しながら、感じた今回でした。
                          若狭 清史